中央省庁の組織定員を縮小する一方で、その機能を縮小し、地方へ委譲して行くことも進められている。この場合の地方には、各省庁の地方支分部局という意味と地方公共団体という2つが想定される。前者については、上意下達と地方機関におけるデータ収集機能をベースとした従来の行政の組織論が根本から変革されることが可能になりつつあるのである。情報の集約、処理、伝達等のための中間的な機関の存在は必然ではないという状況になりつつあるのではないか。情報の集約、処理、伝達等の自動化は、小規模の支所の統廃合や中間段階の組織の存在を不要とするとともに、むしろ、情報を上部機関に伝達するだけではなく、地方組織における利用の拡大を可能にするという両面があるのである。いわゆる、情報利用の地方分権といえようか。